准看護師とは?准看護師の特徴についてご紹介します
看護を仕事にしたいと考える場合、看護師だけでなく「准看護師」という道も検討されます。准看護師には看護師とは違う特徴があり、多くの職場で必要とされています。今後も准看護師が活躍する機会は増える可能性があるため、就職を考えてみるのもおすすめです。
准看護師を目指すのなら、まずはその職業の特徴や仕事内容について、しっかりと理解を深めるのがポイントです。そこで本記事では、「准看護師とはいったいどんな職業なのか」といった基本について解説します。
准看護師とは?
准看護師とは、看護や診療補助などの業務を担当する看護職です。一般的に病院などに勤務し、入院患者さんや外来患者さんの支援および応対を行います。近年は介護などに就職し、介護士と連携して仕事を行うケースもあります。病気や怪我、加齢による肉体の衰えなどに悩む人々の声を聞き、適切なサポートを行うのが准看護師の役割です。
准看護師は看護師と違い、業務の際には必ず医師や看護師の指示を受けなければなりません。准看護師が自らの判断で治療を行うことは禁止されているため、チームで仕事をすることが基本です。
准看護師は、高校を卒業していなければ資格を取得できなかった看護師の人員不足解消のために創設された経緯があります。准看護師は中学校を卒業した人であれば資格取得が可能なため、当時戦後復興時期で高校に進学する女子学生が少なかった背景もあって、多くの准看護師が働いていました。
多くの女性が高校・大学まで進学するようになった現代は、准看護師が必要とされた当時とは状況が大きく異なりますが、それでも看護師と同様にさまざまな職場で必要とされる点は変わっていません。
准看護師の就業者数
准看護師として働いている人は、「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」を参考にすると、2020年時点で約28万人前後となっています。就業者数は徐々に減少していて、10年前の2010年と比較すると約8万人ほど准看護師の人数が減っているのです。
これは准看護師ではなく、看護師になる決断をする人が増えたことやが関係していると考えられます。同調査を参考にすると、看護師の人数は准看護師とは逆に増加傾向にあります。2020年時点では約128万人が働いています。10年前の2010年には約95万人だったため、30万人以上の増加しているのです。
看護師は准看護師のキャリアアップ先にもなり得るため、今後も看護師の数は増加すると想像できるでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/20/dl/gaikyo.pdf
准看護師が働く職場
准看護師が働く職場には、以下のような種類があります。
・一般病院
・クリニック
・介護施設
・デイサービス
・老人ホーム
など
基本的に准看護師は、医療や介護関係の施設で働くことが多いです。病院の場合配属される場所によって業務内容は変わり、医師や看護師の指示のもと必要な仕事を担当します。
介護系の職場では、高齢者の健康チェックや服薬の管理などを行い、トラブルが起きないように支援するのが仕事です。ときには介護士の指示に従って、施設利用者の食事や入浴の介助などを行うケースもあります。
准看護師になるには?
准看護師になるには、指定の准看護師養成所で所定のカリキュラムを学び、卒業して准看護師試験に合格する必要があります。准看護師試験を受験するには高校卒業の場合には2年、中学卒業の場合には准看護師養成所であれば2年、口腔衛生看護科の場合には3年の学習過程が必要です。
准看護師の養成所は全日制と半日制の施設があり、全日制の場合には週3日ほど、半日制の場合には1日の学習時間を短くして週5日の授業を行います。自分の環境に合わせて全日制と半日制を選択することで、働きながら准看護師を目指すことも可能です。
准看護師になるための具体的な履修時間は、以下のようになっています。
・総学習時間数:1,890時間
・基礎分野70、専門基礎分野350
・専門分野1,470(うち臨地実習が735)
参考:https://www.junkankyo.com/nurse.php?category=1
准看護師の試験について
准看護師の試験は、年に1度2月上旬ごろを目処に実施されています。具体的な日程は試験を運営する都道府県によって異なるため、事前に自分の受ける試験の情報を集めておく必要があるでしょう。
准看護師の試験内容も各都道府県によって異なるケースが多いですが、基本的には以下の科目から出題されます。
・人体の仕組みと働き
・食生活と栄養,薬物と看護
・疾病の成り立ち
・感染と予防
・看護と倫理
・患者の心理
・保健医療福祉の仕組み
・看護と法律
・基礎看護
・成人看護
・老年看護
・母子看護および精神看護
これらの科目から、全部で150問(1問1点)出題されます。
参考:https://www.junkankyo.com/nurse.php?category=1
准看護師の試験合格率
准看護師試験の合格率は、毎年高い水準をキープしています。近年の合格率の推移を見てみると、以下のような数値になります。
2020年:99.0%
2019年:96.2%
2018年:96.9%
2017年:97.5%
2016年:97.9%
このように、准看護師試験の合格率は96〜99%となっています。しっかりと試験対策を行っていれば、問題なく准看護師試験の合格を目指せるでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18260.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11131.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000204900_00001.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000204900.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000163754.html
准看護師から看護師になれる?
准看護師は多くの職場に欠かせない職業ですが、仕事上の制約が気になったり、より良い条件を求めて就職したいといった人は、看護師を目指すケースが多いです。准看護師になってからでも看護師は目指せるため、将来のことを考えて看護師になるための方法をチェックしておくこともおすすめです。
准看護師から看護師になるには、以下のようにいくつかのパターンがあります。
<中学卒業の場合>
・准看護師免許取得後、実務経験を3年経て看護師養成所に進学し(全日制は2年、定時制は3年)、看護師国家試験を受験する
・准看護師免許取得後、実務経験を7年経て看護師養成所の通信制(2年制)に進学し、看護師国家試験を受験する
<高校卒業の場合>
・准看護師免許取得後、看護師養成所に進学して(全日制は2年、定時制は3年)看護師国家試験を受験する
・准看護師免許取得後、実務経験を7年経て看護師養成所の通信制(2年制)に進学して、看護師国家試験を受験する
このように学歴と実務経験の年数などによって看護師になるための国家試験を受験するための条件が変わります。自分がどのパターンに当てはまるのかを、事前に確認しておきましょう。
まとめ
准看護師とは医師や看護師の仕事をサポートし、職場の業務を円滑に回すために欠かせない職業です。この機会に准看護師の特徴を確認し、将来の就職先として真剣に考えてみてはいかがでしょうか。
准看護師を目指すのなら、キャリアアップの一環として看護師になることもおすすめです。准看護師としての経験を活かして、さらに多くの業務を担当できるようになるため、仕事にやりがいを感じやすくなるでしょう。
「藍野大学短期大学部」では、准看護師から2年間で看護師を目指せる全日制の「第一看護学科」を開講しています。准看護師から看護師へステップアップするために必要な学習環境が揃っているため、より専門的なスキルと自信をつけて看護師として働けるようになるでしょう。 この機会に藍野大学短期大学部の第一看護学科もチェックし、准看護師から看護師になる方法も把握しておくのがおすすめです